『親友王子と腰巾着』|ヴィーとレノア、この距離感を何度でも読みたくなる
『親友王子と腰巾着』は、気づくとまた開いている作品です。
王子ヴィンセント、通称ヴィーと、その幼馴染で筋金入りの腰巾着レノア。もともと近すぎるくらい近い2人なので、関係が少し揺れるだけでも妙に効く。
それに、レノアの表情が本当にいい。きれいな顔で赤くなったり、むっとしたり、考え込んだり。読んでいて飽きません。
※ここから単行本1〜2巻の内容に触れます。
原作のレノアが、そのまま漫画の中で動いている
原作小説のイラストを担当していた流星ハニー先生が、そのままコミカライズも描いている。
これがかなり大きいです。
小説で見ていたレノアとヴィーが、そのまま表情を持って動き始める。特にレノアは感情が顔に出るので、漫画になるとかわいさが一気に増す。
私が好きなのは、ヴィーから好意を伝えられる場面を自分で想像して、その想像だけでぼーっとしてしまうところ。
自分で想像して、自分で照れている。
もう完全に意識してるじゃん、となる。
2人は最初から特別だった
ヴィーとレノアは、幼馴染で、親友で、王子と腰巾着でもある。
レノアにとってヴィーの隣にいることは、ずっと当たり前だった。ヴィーにとっても、レノアがそばにいるのが普通になっている。
だから面白いんですよね。
ゼロから特別な相手になっていく話というより、すでに特別だった相手への気持ちを、あとから自分で理解していく。
女になってからのレノアは、かなり悩みます。
ヴィーに憧れていた自分。腰巾着として隣にいたかった自分。今のヴィーを意識している自分。
それでも最後に残るのは、「ヴィーの隣を誰かに譲りたくない」という気持ち。
ここ、好きなんだよなあ。
レノアは揺れるけど、ヴィーはずっとレノアを見ている
ヴィーは早い段階からかなり一貫しています。
男だった頃も、女になってからも、相手はレノア。
レノアの方が自分の気持ちをうまく整理できずに迷っているぶん、ヴィーの迷わなさがよく見える。
一見クールなのに、レノアのことになるとかなり熱い。
ヴィー、お前いい男じゃん、と思う。
そしてレノアも、最後には「腰巾着だから」では説明できない自分の気持ちと向き合う。
男の姿に戻った自分を鏡で見たあと、ヴィーへ気持ちを伝えようと決める場面は何度読んでもいいです。
そこまで来たか、レノア。
周りには、だいたい分かっている
本人たちは少しすれ違う。
でも周囲から見ると、かなり分かりやすい2人です。
この安心感も好きです。
「はいはい、もうお互い好きでしょ」と思いながら、レノアが自分の気持ちに追いつくのを見ていられる。
レノアはどんどん変わる。
ヴィーは、ずっとレノアを見る。
たぶん私は、この組み合わせが好きで何度も読み返しているんだと思います。